大人バレエを始めよう

発表会の出演が決まったら「白鳥の湖」を観よう

こんにちは、あきこ先生です。

先日NHK BSプレミアムで、新国立劇場バレエ「白鳥の湖」が放送されました。みなさま、ご覧になりました?

クラシックバレエといえば「白鳥の湖」をイメージされる方も多いと思います。白鳥の湖には、バレエに必要な大事な要素がたくさん詰まっています。

発表会に出演する決心をされた方は、是非、DVDでもいいので「白鳥の湖」を観て勉強してみてください。

「白鳥の湖」は四幕構成です。バレエ作品の中でも長い方なので、おうちでDVDで観る場合は、一幕ずつ区切って観てもいいかもしれません。それぞれの幕で、ご自身の発表会への心構えで参考になるポイント、観るポイントを説明したいと思います。

 

第一幕 立ち居振る舞いを学ぶ

第一幕は、ジークフリード王子の成人式のパーティーの場面です。

王妃(ジークフリードのお母さん)や貴族など、重厚な衣裳を着た謂わゆる「立役」と呼ばれる役がたくさん出演しています。ほとんど踊らない役ですが、とても重要な役で、特に王妃はバレエ団ではソリスト以上の方が配役される場合が多いです。

立役は立ち姿でそれぞれの階級、品格、威厳を表さなければいけない役です。バレエの基本的な立ち方で役に合わせた優雅な振る舞いが要求されます。

クラシックチュチュと違って、足の見えない長いドレスを着ていることも多いので、ドレスの裾捌きや歩き方、踊る時とは違う頭(首)の動かし方などもよく見ておきましょう。

バレエ団ではソリスト以上でも、発表会では大人バレエのみなさまに配役されることもあるかも知れません。自分自身が少し恥ずかしくなってしまうくらい役に成り切って、堂々と優雅に振る舞ってみてください。

 

第二幕 コール・ド・バレエの基本を学ぶ

第二幕は湖の辺、白鳥たちが登場し、ジークフリード王子とオデット姫が出会う、言わずと知れた、コール・ド・バレエの場面です。

コールドで大切なことは、揃えることです。

まず、位置を揃えます。

前後左右、周りの人と均等な感覚で立ち位置を合わせます。ご自身でも前後左右の位置関係を見て合わせることも大事ですが、先生が客観的に見て位置を修正してくださることもあるかと思います。例えば、ご自身からは重なっているようには思えなくても遠目には重なってるということもあるので、先生の注意をよく聞き、感覚を覚えることが大事です。

また、左右の人が入れ替わる振り付けでは、上手側の人が前を通ります。これは、クラシックバレエでは常識ですので、覚えておきましょう。

次に、速さを揃える。

走る速さ、歩く速さ、動く時は常に前後左右の人との感覚を変えずに同じ速さで動きます。また、円になって前の人に付いて走ったりする場面では、前の人よりもやや外側を通るように意識します。同じ場所を通って付いて行くと、段々に円が小さくなってしまいます。

コールドでは、次の場所へ移動する際の通り道は全て決まっています。どこを通ってもいいから次の位置へ。ということはありません。客席から見てごちゃごちゃと動いているように見えても、全て決まった通り道を通って移動していることを白鳥の二幕でも確認することができます。

三つ目に、動きを揃える。

当たり前のことですが、動きを揃えるのがコールドです。コールドでは、誰かが目立ってはいけません。腕の高さ、顔の向き、足を出す方向と高さ。音の撮り方。全てが揃って一体感が出ます。初めて発表会に出る方には難しいことかも知れませんが、常にコールド全員でひとつであることを意識して動くことを心がけましょう。

最後に、白鳥の湖二幕の主役はオデットです。オデットが安心して踊れるような場面作りを心がけてコールドは踊りましょう。

 

第三幕 アンサンブルを学ぶ

第三幕は、ジークフリード王子の花嫁を選ぶパーティーの場面です。

各国から招待客が来て盛り上がる場面です。大人バレエの皆さんは、招待客として各国の民族舞踊を踊られることが多いのではないでしょうか?トウシューズ、バレエシューズではなく、ヒールやブーツで踊ることもあるかも知れません。また、タンバリンやセンスを持って踊ることもあります。

ブーツやヒールで踊る場合にも爪先は伸ばしますし、トウシューズ、バレエシューズ以外の靴を履く場合の足捌き、小物の使い方なども映像を見て研究しましょう。

また、マズルカステップなど、クラシックバレエとは少し違った重心を落としたステップなどもあります。マズルカステップは眠りにも出て来ますし、よく使うステップですので覚えておくといいと思います。ちなみに、あきこ先生はマズルカステップが苦手です。

三幕では、黒鳥が踊る場面で各国の民族舞踊の踊り手が舞台を囲み、ジークフリードを心配そうに見ていることがあります。演出によっては、民族舞踊の踊り手がロットバルトの手下という設定で、ジークフリードが騙されていることを喜んで見ている場合もあります。どちらにしろ、ご自身が踊り終わった後も、演技をしたりする重要な役どころです。その辺りも映像を見て研究してみてください。

 

第四幕 表現力を学ぶ

第四幕は、再び湖の辺りです。オディール姫に騙されたジークフリード王子と、オデット姫がロットバルトに立ち向かって行く場面です。

派手さはありませんが、白鳥の湖の結末で大事な部分です。騙されてしまった王子と魔法が解けないオデットの悲しみを表す場面です。白鳥たちのみなさんも、オデットの魔法が解けなければ白鳥のままですので、オデットと同じ気持ちを表現しなければなりません。

二幕との表情の違い、体の動かし方の違いなどを比較してご覧になってください。

 

公演情報

2月に東京バレエ団で「白鳥の湖」の公演があります。

2月18日、20日のチケットは売り切れのようですが、19日のチケットはまだあるようです。ブルメイステル版ですので、多くの版の元になっている、プティパ・イワノフ版とは少し違いますが、上述の発表会に向けての参考ポイントは変わりません。

みなさま、日々のレッスン、発表会のリハーサル、頑張ってくださいね。

では。

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